全盛期はもう過ぎているようですが、女性の「美」を競うミスコン、地域の小さなものから世界的に有名なものまで、本当にたくさんありますよね。

私がびっくりしたのは政治的な目的のミスコンです。チベットの亡命者ばかりが出場する「ミスチベット」です。

日本ではどちらかというと控えめな報道ですが、チベットと中国の問題は抗議の焼身自殺が毎年あるような大きな大きな問題です。

私自身、チベット問題をよくわかってないので簡単に調べてみました。

チベット問題って?

1949年(昭和24年)に中華人民共和国が建国されました。それと同時に中国はチベットを自国の領土だとして人民解放軍を侵攻させしました。圧倒的な武力でチベットを占領。1959年、指導者のダライラマ14世がインドの亡命しました。そして北インドのダラムサラにチベット亡命政府を作りました。

darairama14

チベットはチベット自治区、四川省・青海省・甘粛省・雲南省の一部として中国の一部になっています。

宗教や習慣にも中国政府は介入しています。

チベット亡命政府はもっと高度なチベット自治を求めて(独立を求めているわけではなく、チベットの文化や宗教の保護を主張)中国側と対話を重ねるも進展しないままの状態です。

もちろん独立や自由を求めてデモも度々おこり、その度にたくさんのチベット人が犠牲になり、また強制収容所に収監されたり、処刑されたりということが2000年代に入ってもまだ続いています。

「チベットは独立国家」や「ダライラマ法王に健勝を」みたいなことを言っただけでも、母国分裂を企てていると投獄されたりするようです。それが10歳に満たない子供であってもです。

ミスチベットとは

チベット問題は国際的にもっとよく知ってもらおうという意図で、チベット亡命者グループが企画したコンテストです。2002年に第1回が開催されました。

主宰しているのはロブサン・ワンギャル氏で亡命2世で、私財を投じています。

亡命したチベット人女性だけが出場できるコンテストでダラムサラで毎年開催されます。

デモばかりではなく、こういった文化的なことでもチベット問題を世界に発信していこうというのは、ある意味斬新なアイデアですが、正直、世界的に影響や意味はあるのかなぁと私は思ってました。

けれど中国政府を刺激したのは確かなようですね。

「ミスチベット」という呼称を認めない、「ミスチベットー中国」とするべきだ。とかミスチベットの優勝者が世界的ミスコンに出場することを妨害してきたりだとか。

2004misschibeto

 

2004年度のミスチベットのタシ・ヤンチェン。

2005年“ミス・ツーリズム・ワールド”に参加するために、開催地ジンバブエのハラレを訪れましたが、ハラレの中国大使館に北京から出場しないようにという圧力がかかっていて、結局出場できませんでした。

2003年のミス・ツーリズム・ワールドにはチベット人代表としてテンジン・デキ・チョクテンがチベット代表として参加していました。中国政府は「次回は断固阻止を!」と圧力をかけたのでしょうね。

中国政府が過剰といえる反応をすればするほど、世界のニュースで発信されるので、チベット問題を国外にアピールするのは成功しているのではないかと私は思います。

ただ、チベット人からも「軽薄だ」「お粗末だ」「性差別的だ」「意味がない」という批判も、開催当時から集まっています。

ミスチベットの出場資格は?

亡命した未婚チベット人女性の18~26歳に出場資格があります。

そして身長が約165cmが条件だとか。165cmというのがチベット人の美の基準なのでしょうか?

賞金は?

5000US$を1位、2位、3位で分配するそうです。

ちなみに2012年はミスチベットは中止になりました。

ちなみに去年のミスチベットは中止になりました。理由は相次ぐチベット人の焼身抗議に配慮したものらしいですが、名前をかえて「ミスヒマラヤ」として同様のミスコンを行いました。

misshimaraya

リンチェン・ドルマ、23歳

私がわからないのは、焼身抗議はミスチベットに対するものではなく、チベット問題そのものについてなのに、どうしてミスチベットをミスヒマラヤに改称しなければならないのでしょう。

そもそもミスチベットがチベット問題を国外的にアピールするものであるなら、目的は同じではないのかなぁと思います。

やはりミスコン自体が娯楽的要素を多く含んだイベントなので、焼身抗議という重い事態と同列に抗議活動に位置づけるのが問題なのでしょうか。

そして今年2013年のミスチベットに輝いたのはこの方です。

misuchibet2013

 

アメリカ在住のチベット人テンジン ラモさんです。

ただし、出場者は彼女一人だけでした。もうミスコンの体裁をなしてないような気もしますが、主催者からすると続けていくことが大切なのかもしれません。

中国には中国の事情があるのでしょうが沖縄も中国のものだと言い出している今、日本にとってチベット問題は決して対岸の火事ではありませんよね。

ミスチベットの是非はともかくも、チベット問題やその他の領土問題にも深く関心を寄せていくことは必要だと思います。