かぐや姫の物語を観てきました。

katuyahime 1 224x300 かぐや姫の物語観てきました!怖いというより虚しい感想とネタバレ

テレビで紹介されてから「これはぜひ娘と見に行きたい!」と幼稚園の日程と私の仕事の都合をすりあわせて昨日行くことができました。

火曜日ならレディースデーでかなりお得なのですが、それを言っているとどんどん予定が先に延びてしまうのでそこは泣く泣く妥協しました。映画、もうちょっと安くならないかなぁといつも思ってしまいます。

以下、感想とネタバレです。これから見に行く方はご注意くださいね。


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率直な感想

まず率直な感想は「原作に忠実だったな」ということですね。

といっても私は原作の「竹取物語」をきっちりと読み込んでいるわけではないので、正確な比較は出来ないのですが、ストーリーに肉付けはされているものの、子供の頃から慣れ親しんでいるお話の始まりと終わりとほぼ同じです。


映画のストーリーについて思ったこと

なぜかぐや姫が月からこの世に来たのか、どうして帰らなくてはならないのか、映画の宣伝に使われる「かぐや姫の罪と罰」とは一体なんだったのか、はっきりとした答えはよくわかりませんでした。

かぐや姫が月に住んでいるとき、地球から帰ってきた人が歌う歌に憧れてしまったこと、虫や鳥や獣のように生きることを望んでしまったこと、これが罪なのでしょうか。

そして翁の言うがまま、自分の本当の意思を通さずに過ごし、とうとう帝に抱きすくめられた時に「この世界が嫌だ」と思ってしまった、そのために月の世界に連れ戻されることになってしまった・・・。

なんだかとても不条理さと虚しさを感じてしまいました。

そもそも月の世界とは何なのか、地球に下ろされるということが「罰」なのか、月に戻されるということが「罰」なのか、考えれば考えるほどわからなくなりました。

オリジナルキャラクター「捨丸」との淡い恋も、心が通じ合い恋が叶い二人でどこまでも飛んでいけた・・・と思った瞬間の夢オチだったことに、何とも言えない虚しさでいっぱいになりました。

まあ、夢ではなくあのまま捨丸が妻子を捨ててしまっても「おいおい」とは思ったでしょうけどね。

そしてクライマックスの月からのお迎えのシーン。

仏様や天女たちが私には「死」そのものに見えました。

心を動かすこと、すなわち感情を持つことが否定される世界ということは、月の世界はやはり、「この世」とは正反対の「あの世」ということなのでしょうか。

かぐや姫が羽衣を着せられ表情をなくすシーンは、胸が締め付けられやっぱり虚しさを感じました。

あれだけ生き生きとした感情豊かなかぐや姫が、一瞬で別世界のものになってしまう、それでも残った感情の雫が、あの一筋の涙に流れてしまったのでしょうか。


小さい子供にも楽しめる?

小さい子供が楽しめるかというと正直微妙な感じですね。

「竹取物語」自体は子供向けのお話ではありません。

光る竹に小さな子供が入っていたこと、どんどん綺麗に成長して、たくさんの人から求められること、そしてそれを振り切って月へと帰ってしまうこと、こういう不思議できらびやかな要素が子供向けのお話として語り継がれてきたおとぎ話の「かぐや姫」で、本当の竹取物語は、思い切り大人のためのストーリーなのだと思います。

幼稚園の娘には2時間超のお話は長すぎ、そして中盤からは展開が大人の都合っぽくなり集中できなくなっていました。

あくまでもウチの娘には早かったかもしれません。

ただ、映像は素晴らしく子供も最初のうちは夢中になっていました。


登場人物について

かぐや姫は生き生きと感情の迸る魅力的な女の子ですが、時々ゾッとするほど冷たい表情をする時もあります。月の住人の顔なのでしょうか。

翁の言うとおりに高貴な姫君になるかと思えば、翁の顔をつぶすことも平気でする、つかみどころのないキャラクターかなと最初は思いましたが、案外普通の人間もそんなものかもしれません。

翁ことおじいさんも、私には不思議なキャラクターでした。欲望がどんどん出てきて、自分の栄達のためにかぐや姫を利用しているのか・・・・と言われるとそうでもないような?

あくまでもかぐや姫のことを大切に思っていて、ただ、かぐや姫の幸せは高貴な玉の輿に乗ることだと頑なに思い込んでいるだけなのかもしれません。

媼ことおばあさんは、地に根を深くおろし、自分が何に幸せを感じるのか、ブレない強さを持ってますね。

かぐや姫のことも常にやさしく見守っていて、かといっておじいさんに逆らうこともしないのです。

捨丸はなんというか、かぐや姫が憧れた「けもの」のような生き方をしているように感じられました。山から山への流浪している生活だとより自然に近い生活になるのかもしれません。

捨丸の子供を産んだ女性は何の個性もなく、子供を産み育てるだけに生きているような印象を受けました。言い方は悪いですが「けもの」そのものような。

捨丸が選んだわけではなく、ただ流れでそうなった生き物としての生の営みなのでしょうか。

もしかしたら月で求められる生活と「けもの」のように生きることは同じことなのかもしれません。

かぐや姫が求めていたのはもっと強い「自我」のようなもので、だからこそそれが「罪」になったのかとそんな風にも感じました。

5人の貴公子もそれぞれ個性的でしたね。とんでもなく口がうまいプレイボーイがとても面白かったです。かぐや姫も心を動かされていましたしね。

何よりもいけ好かないのが「帝」でしたねぇ。

なんだかおさるのジョージの黄色いおじさんみたいな顔でかぐや姫を追い詰めてしまって。

とにかく軽薄さがにじみ出ていました。

原作の竹取物語では、かぐや姫と帝が心を通い合わす場面があったように記憶しているのですがどうでしょう。

相模はロッテンマイヤーみたいだし、女の童は妖怪みたいだし、おもしろいキャラクターばかりでした。


とにかく素晴らしい映像

映像は本当に素晴らしかったです!

今までのジブリのようなアクティブな映像ではなく、どちらかというと「静」の映像で、ごく上質の絵本・・・いえ、絵巻物がするすると目の前で展開されているような印象でした。

そして「静」といっても、虫や鳥や獣の動き、子供や赤ん坊の動き、かぐや姫の動き、どれも生き生きとして思わず見入ってしまう手の込んだ映像でした。

日本的な色彩の美しさが圧巻で、山野の描写も、きらびやかな都や美しい着物の描写も、有名な桜のシーンも、とにかく目が離せません。

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映画の最初に、かぐや姫(たけのこ)が山の中で成長するシーンは、ウチの娘もとても楽しんで見ていましたよ。


まとめ

物語の大どんでん返しは全くなく、終わったあとは何とも言えない寂寥感と虚しさを感じ、色々と考えさせられました。
手放しでおススメできる作品ではないですが、私は子供抜きで一人でもう一度見に行こうと思っています。