
10月に入るとさすがに秋らしくなってきましたね。
秋風にそよぐ草花を見ていると、懐かしいような切ないような面映ゆい気持ちになってきます。
秋の七草ってご存知ですか?
春の七草と違って食べられませんが、もともと「七草」というのは秋バージョンが本家本元なのです。
春の七草は正しくは「春の七種」といいます。
セリ、なずな、ごぎょう(母子草)、はこべ、仏の座(コオニタビラコ)、すずな(蕪)、すずしろ(大根)
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秋の七草の由来
秋の七草は、奈良時代初期の歌人、山上憶良の2つの歌が由来とされているそうです。
秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花(万葉集・巻八 1537)
萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花(万葉集・巻八 1538)
尾花はススキですね。朝貌の花は、朝顔、ムクゲ、昼顔等の説もありますが、桔梗が古来から一番有力な説だそうです。
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秋の七草の覚え方
秋の七草に限らず並べて暗記するものってなかなか覚えられませんよね。
私も「覚え方」を知るまでは4つほどしか言えなかったです。
何年か前のNHKの番組で覚え方をやってました。昔からいわれている覚え方のようです。
「お好きな服は?」→「おすきなふくは」
このフレーズを覚えていると、秋の七草が全て言えますよ。
お→おみなえし
す→すすき
き→ききょう
な→なでしこ
ふ→ふじばかま
く→くず
は→はぎ
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他にも「ハスキーなクフ王」「ハスキーなオフクロ」「フナオくんは好き」というような語呂合わせもありますが、字余りのもあるので「お好きな服は?」が一番スッキリ覚えやすいので私は好きです。
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秋の七草の紹介
「お好きな服は」順番で紹介していきますね。
女郎花(おみなえし)
時期:8月~10月
日当たりの良い野原などに生えます。一見地味ですがよく見ると黄色い小花が可愛らしいです。
野原などが少なくなったのに伴って自生地も減少しているようですね。
漢方の材料にもなって根っこを煎じたものに解毒効果があるそうです。
ちなみに男郎花(オトコエシ)というのもあります!
女郎花と同じ仲間で、少し大きくて白い花をつけます。花の時期は女郎花より少し早く終わる傾向があるようです。
芒(すすき)
時期:9月~10月
日当たりのいい場所に生えます。山が多い住宅地ではほんの少しのアスファルトの隙間からも生えています。
冬には枯れるのが普通ですが、沖縄では常緑でサトウキビと間違えるほど大きく成長します。
北米では侵略的外来種とされているらしいですね。
昔は「茅(かや)」とも言われていて、茅葺き屋根に使っていたりしました。
桔梗(ききょう)
時期:6月~9月
とても種類が多くて世界中に分布しています。
秋の七草なのに開花は夏がピークです。
ウチのベランダにもありますが、五角形の小さなつぼみがだんだんとふっくらと大きくなり、弾けるように開花するのはとても愛らしくてうっとりします。
撫子(なでしこ)
時期:4月~10月
これも秋の七草なのに春から秋にかけての長い時期が開花時期です。
そして種類も多く北半球の暖かいところに300種ほど分布しています。
ヒメハマナデシコとシナノナデシコは日本固有種(日本にのみ自生)で、他に日本にはカワラナデシコとハマナデシコがあります。
カワラナデシコは大和撫子とも言われていて撫子の代名詞ですね。
別名である「常夏」はずっと花が咲き続けるからついた名前かもしれませんね。ちなみに源氏物語にも「常夏」という巻があります。
藤袴(ふじばかま)
時期:8月~10月
万葉の昔から日本に自生に日本人に愛されてきました。
乾かすと茎や葉がいい香りを放ちます。ちょうど桜餅の葉っぱのような香りです。
そのせいか中国では香草などとも呼ばれているそうです。
日本のどこにでも群生している花でしたが、今では準絶滅危惧種に指定されているそうです。
「フジバカマ」としてお店で売っている植物は、昔からの藤袴でなく似たような花の場合が多いそうです。
葛(くず)
時期:8月~10月
これは日本のいたるところで見ることができますね。遠くから見ると野ぶどうのように見える花は甘い香りを放ちます。マメ科ですので花が終わると枝豆に似た小さな豆ができます。
葛はツルをぐんぐん伸ばして繁殖力が以上に高いため、世界の侵略的外来種ワースト100 に入っているそうですよ。
萩(はぎ)
私の大好きな花のひとつです。
花と葉のバランスがとても良くて、雨上がりの萩はひときわ趣があります。
いかがでしたでしょうか。
秋の七草はどれも地味とさえいえる草花ですが、よく見ると可憐で清楚な花が多いですね。
ハイキングや散歩の時などにどこにあるか探すと面白いと思います。