
連日ニュースでエジプトのデモの様子が流れています。
エジプトではいつもデモが起こっているような気がするのであまり気にも留めてなかったのですが、今回はクーデーターにより、モルシ大統領が失職するというニュースが今朝流れました。
どういう流れでこうなったのか、私の疑問をベースに調べてまとめてみました。
このデモはいつから起こっているのか?
モルシ大統領の就任1年目の2013年6月30日に、大統領宮殿に大勢のデモ隊が包囲し、大統領の退陣を求めました。 これにあわせて、カイロ市内7箇所からデモ隊が宮殿に行進し、また、モルシ大統領の支持母体であるイスラム組織「ムスリム同胞団」に火がかけられるなど、混乱が激化していったようです。
前回2011年の大規模デモ(エジプト革命)とどう違う?
前回2011年1月に起こったデモは長らく続いたムバラク政権に対するもので、理由はやっぱり、貧困、物価高にあえぐ庶民からの不満です。
それに加え、チュニジアのジャスミン革命に感化されたのも大きな原因のようです。
ジャスミン革命はチュニジアの長期政権を倒しました。ムバラク政権も長期間続いていたので、似たような感じでしょうか。
この革命後の選挙によりモルシ大統領が生まれたのですが、こんなに短期間のうちにデモ→クーデターになってしまってます。
デモの理由や背景は何?
長く続いたムバラク政権が倒れ、モルシ大統領が政権を握りましたが、この1年で経済は悪化、物価は急騰、治安も乱れ、国民の暮らしは逼迫し、モルシ大統領政権への期待が批判に変わり、1年目という節目で、デモが起こった模様ですね。
日本でも期待を背負った新政権が、実際走り出すと思いもよらなかった体たらくで、結局何も出来ないまま、旧政権に戻ってしまったという新しい歴史がありますもんね。
日本ではおおきなデモにはなりませんし、宗教や思想などもほとんど絡んできませんから、これほど大きな事態にはならないのでしょう。
モルシ大統領は国をよりイスラム化する方向でイスラム勢力がこれを支持、リベラル派や世俗派との対立が2極化したのも原因の一つと言われています。
また、イスラエルに都合の良い政権にとって変えようとするアメリカと、エジプト軍部とが手を組んだパフォーマンス・・・・だという噂もちらほら流れています。
モルシ大統領はどんな人?
自由投票で当選した初めての大統領。「ムスリム同胞団」という慈善活動の団体を母体としています。
すべて軍出身者だったエジプトの大統領から、はじめて文民大統領に就任しました。
就任当時はもちろん国民の期待もとても大きかったようですが、大統領の権限を大きくした憲法を制定したりするなどの行動をとり始め、軍との関係も冷えたものになっていったようです。
国を強固に「イスラム化」する方向にすすめ、世俗派や、リベラル派の不満も高まったようです。
期待が大きかった分、反発も大きいのでしょう。
クーデターはどうして起こった?
6月30日にデモが起こってから大統領派と反大統領派の争いが激化して、双方に死者も出る事態になったため、エジプト軍が仲裁を申し入れましたが、大統領派は軍の介入を拒否しました。
そのため大統領と軍との対立がはっきりし、7月4日、エジプト軍は大統領支持派が集まる場所の道路を封鎖し始めたのです。これが事実上クーデターのはじまりのようです。
エジプトの今は?
7月4日午前中現在のニュースでは、シシ国防相がモルシ大統領を解任し、憲法も停止、大統領選挙が実施されるまで自らが暫定大統領として宣言しました。
理由としてはモルシ大統領が国民の要望を満たさなかったから。。とのこと。
う~ん、私には理解できない展開ですね。やっぱり軍はこの機会を虎視眈々と狙っていたのでしょうか。
モルシ大統領は現在、軍施設に拘束されているようです。
これからエジプトはどうなるの?
今のところわかりませんが、大統領派も多くいることですし、今回のクーデターが国際的にどう受け取られるかで、エジプトの行方が変わっていくでしょうね。
今しばらくエジプトへの旅行などは考えない方がいいかと思います。
私が自分の理解のためにまとめたものですので、間違った情報、足りない情報などなどたくさんあると思いますが、どうぞご容赦くださいませ。 その後のエジプトの記事はこちら
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