
大好きな作品『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を観ました。
がっつりと語りたいので【ネタバレ】満載の記事になるので、冬休みに観に行くからネタバレ嫌だよ!という方は読まないでくださいませ。
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映画の感想で「全く別の作品」?
レビューなどで「全く別の作品になっている」という感想が目につきますが、私はそんな風には思いませんでした。
スタッフも同じですし、もちろん絵も声も同じ、登場人物の性格や行動も同じですし、もちろんコトリンゴの曲も全部含めて前の作品と世界観は同じです。
ただ、前作では「重大なエピソード」を丸ごとカットしているので、すずや周作の性格すらも前回と違うようにとらえた方が多いのかもしれません。
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重大なエピソード・周作とリンの過去
重大なエピソードはひと言で説明できます。
すずと結婚する前、周作とリンは深い恋をしていた
全作品ではリンの存在意義が分かりにくくありませんでした?
- 子供の頃のすずと出会っている
- 大人になってから花街ですずと再会
- 空襲でリンは亡くなったであろう‥という背景。
・・・うん、だから?
とても重要な登場人物っぽいのに、結局リンってなんだったの?前作品だけを観るとそう思う人も少なくないと思います。
でもリンは、すずの内面に強く干渉するキーパーソンです。
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新しいシーンをネタバレ抜き出し
この作品で新しく追加されているシーンは、少しだけ水原や晴美との絡みもありましたが、ほとんどがリン絡みです。
- 子供の頃、水原が教室ですずさんの鉛筆を取る
- すずと晴美が小松菜の種を蒔いている
このふたつのシーンはリンとは絡んでませんね。水原との思い出と晴美との日常のシーン。『ああこのシーンは前作にはなかったなぁ』と思った程度でした。
リンとの絡みのシーンは思いだせるだけは以下の通りです。
- すずとリンが二葉館の前で再会して、切り取ったノートの裏表紙にリンの名前と住所が書いているモノをすずに見せるシーン。
- 家で片づけをしているすずは、裏表紙が切り取られた周作のノートを見つけて、リンと周作の関係に気づくシーン
- リンと周作の昔の関係を知って、周作の夜の求めを拒絶するすずのシーン
- 二葉館ですずは病気のテルという遊女と出会うシーン
- お花見でリンとすずが出会い、テルの形見の紅をもらうシーン
- 空襲後の二葉館の跡地へすずが出向くシーン
どれも重要なシーンなのに前作ではきれいにカットされていたのはなぜでしょう。
なぜ前作品ではカットされていたのか?
アニメの映画は1時間の映画を作るのに1億円前後の予算がかかるそうです。
前作品では予算が足りず30分程シーンをカットしました。リンと周作の関係をカットするのが、一番作品的にバランスがとれているとの判断でしょうか。
確かにリンと周作の関係がないものとされた前作品も大ヒットしましたし、あの時代の普通の人たちの日常を淡々と描いた世界観はしみじみと心に伝わってきました。
でも私は原作の漫画は読んでませんが、前作品は「え?」と思ったひとりです。
なぜなら「この世界の片隅に」の世界には『ドラマ』で入っていったからです。
今回の映画はドラマの展開とほぼ同じ
日曜夜九時のドラマでした。
松本穂香ちゃん演じるすずと、松坂桃李くん演じる周作、そして、二階堂ふみさん演じるリンの世界に酔いしれながらドラマを堪能していました。
もちろん水原を演じる村上虹郎くんも良かったし、鬼小姑役の 尾野真千子も良かった。
ドラマで『この世界の片隅に』を知ったから、前作アニメ映画『この世界の片隅に』にもハマったし、今回の『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』も観に行きました。
ドラマ版の世界を知った後で、前作品のアニメ版『この世界の片隅に』をみたときは「え?なんでリンさんほとんど出てないの?」って驚愕したんですよ。
『この世界の片隅に』の世界は、すずのぽや~とした雰囲気と淡々と描かれているあの時代の日常が魅力的なのですが、ぽや~としたすずの内面にドロドロと渦巻く葛藤も大きな魅力です。
前作品では晴美を失くした後のすずの荒れ方でそれを表現してました。
でもドラマ版で周作とリンの過去に葛藤しているすずの姿をみていたからこそ、晴美を失くした後のすずの荒れ方にも納得出来たんです。
だから今回の『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を観て、「ああ良かった。ドラマの世界とおんなじだ』ってホッとしました。
映画ファンには怒られちゃうかもしれませんけどね。
映画もドラマも本当に大好きな作品です。そしてドラマも久しぶりに観たくなっちゃいました。
最期に
大きくネタバレしちゃいましたが、この作品の世界観がお好きな方はぜひぜひ映画館に足を運んで鑑賞してください。
『この世界の片隅で』の世界を映画館で観たのは初めてですが、没頭出来て本当に良かったですよ。