
2018年2月24日公開の「空海ーKU-KAIー」とても楽しみです。日本と中国との共同製作映画で、かなり大きなプロジェクトです。
歴史モノの映画を見る前はちょっとだけ予習をしていくと、映画もスッと頭に入ってきて楽しさ倍増!
原作情報と、この映画の中心となる登場人物、空海、白楽天、楊貴妃の情報をサクッとまとめてみました。
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Contents
原作は夢枕獏
原作は「陰陽師」で有名な夢枕獏の「沙門空海~」シリーズ。
唐に留学していたときの空海が唐の怪奇な人や事件に出会って密教を磨いていく、史実を織り交ぜたエンターテイメントな物語です。
短めでテンポの良い文書が読みやすいとレビューで絶賛されてましたよ。「陰陽師」と似たような雰囲気だとか。
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登場人物のかんたん予習
空海
空海といえばほとんどの人が「名前はよく聞くよ」くらいの知名度が高い人ですよね。
「平安時代の偉いお坊さん」と答えられた人はなかなか物知りです。
「確か弘法大師ともよばれてて字がすごく上手いお坊さん」とまで答えられたあなたはなかなかの歴史通です。
映画を観る前にもう少しだけ空海の情報を仕入れておきましょう。
空海の超かんたん年表
- 774(宝亀5)現在の香川県に生まれる
- 791(延暦10 )17才大学に入る
- 793(延暦12)19才 大学を退学し、民間のお坊さんになる
- 800(延暦19)26才大和国久米寺ですごいお経「大日経」を発見する
- 804(延暦23)30才5月遣唐大使藤原葛野麻呂の船に乗り日本を出発。12月に当時の唐の首都長安に到着
- 805(延暦24) 31才8月、恵果より伝法阿闍梨の灌頂を授けられる。仏教的にはとにかくすごいことらしい。
- 806(大同1)32才8月 日本に帰国
長安にいたのは2年足らずだったんですね。映画のお話はちょうど804年~806年の頃なのでしょうか。
この後、満濃池を修繕したり高野山を開いたり最澄とケンカ?したり、色々なことをして61歳の生涯を閉じます。
超絶天才でむちゃくちゃなエリート人生だったみたいですね。
空海がしたすごいこと
弘法大師(空海)の伝説は日本各地にあって、ほとんどが「水」に関係するエピソードで彩られています。
いわく 雨が降らずに困っている村で親切にしてもらったお礼にこんこんと水が湧き出る「泉」をプレゼント・・・だの
いわく 意地悪をされた村に大雨を降らせて村ごと流した・・・だの
とにかく「水」と弘法大師は切っても切り離せません。
なぜでしょう?
それは空海が香川県にある「満濃池」というため池を改修・修繕したからなのです。
満濃池は嵯峨天皇の時代に作られたため池で周りの村に大切な池でしたが、しょっちゅう決壊しては水害をひき起こしていた問題の池でした。
821年、空海が47歳の頃、満濃池の修築責任者として赴任されてきました。
空海は唐で学んだ知識を活かして、あっという間に満濃池を修築してしまい、満濃池で洪水が起こることはなくなったのです。
この史実から、空海=弘法大師=水を操るという図式が出来たようですね。
白楽天
白楽天は正式な名前が「白居易(はく きょい)」で、「楽天」は字(あざな)というペンネームみたいなものです。
楽天って・・なんだかお金持ちっぽい感じもしますが、関係はないみたいです。
白楽天の超かんたん年表
- 772年 現在の河南省新鄭市に生まれる。
- 800年 29歳、唐の出世のための難しい試験「科挙」に合格して役人になる
- 815年 44歳のとき左遷されて現在の江西省九江市(江州の司馬)に飛ばされるが、色々あって中央に戻されたり、自分から他の地方に赴任したりして役人としての業績をあげてだんだん出世していく。
- 845年 74歳で詩文集『白氏文集』75巻を完成させる
- 846年 75歳でこの世を去る
特別セレブな家柄ではなかったけれど、頭がよかったので科挙に合格して中央の役人になることが出来た人。
それに加えて「詩」の才能が5歳の頃には開花していた神童?
空海より2歳年上で、映画の中では長安の都で空海と絡むらしいけど、史実はどうであったかわかりません。
追記 2018/1/08
この記事を読んで下さいまして間違いをご指摘くださった蓑虫様のHPをご紹介しますね。
空海、白楽天、楊貴妃の関係を研究なさっていて、「龍神楊貴妃伝」という本を出版されています。
ロマンあふれる歴史の旅にいざなってくれる、濃い~お話が詰め込まれたサイトです。
白楽天はこんな詩を残したよ
74歳のときに、白楽天自身が書き溜めた詩を「白氏文集」にまとめました。日本でもかなり文学界に影響力を持つ詩集だったらしいです。
「長恨歌」という、楊貴妃と玄宗皇帝のエピソードを漢詩にしたのが超有名です。
楊貴妃
楊貴妃といえば世界三大美人の一人ですよね。
クレオパトラ、楊貴妃、小野小町と習ったけれど、小野小町が入っているのは日本だけらしいです。
そりゃそうですよね。小野小町は深草少将との伝説でしかその美しさが伝わってないし。
玄宗皇帝に愛されすぎて国を傾けたといわれている美女。映画では楊貴妃と空海が絡んでいるようにみえますが、あれ?時代がずれているような?
楊貴妃の生まれた年
楊貴妃は719年に生まれてちなみに亡くなったのは756年37歳のとき安禄山の乱で殺されてしまいます。
空海や白楽天が生まれる50年以上前に亡くなっているんですね。
生きている楊貴妃と空海や白楽天が絡むはずはないので、二つの時代を行き来するようなストーリー構成なのでしょうか。
白楽天は長恨歌で楊貴妃の美しさをこれでもかというくらい詠んでいるので、超不思議な力で生きていた頃の楊貴妃と絡み、それを詩に残した・・というオチなのか、色々想像は膨らみます。
楊貴妃のエピソード
- 楊貴妃はライチが大好物で、今のベトナム北部あたりから長安まで、早馬で運ばせた。
- 玄宗皇帝が誰かと碁を打っているとき楊貴妃は愛犬の狆を抱いてそばで見ていた。玄宗が負けそうになると狆を碁盤の上に放ってその勝負をゼロに戻した。
- 黄色の長いスカートが好きで、龍脳という香料をいつも焚き染めていた。ハンカチにまでその匂いがうつって、遠くからでもその匂いが漂ってきた。
たぶん、ただキレイなだけじゃなくて明るくて一緒にいて楽しい女性だったみたいですね。映画の楊貴妃はチャン・ロンロンが演じていてちょっとイメージと違う美人です。
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映画が楽しみ
この記事に書いていたことだけでも、さらっと覚えていると映画が何倍も楽しく観れると思いますよ~。
公開が楽しみです。観たらまた感想書きますね。
空海の映画、楽しみですね!こうして、ニュースを拝見するたびにますます楽しみになって来ます。
さて、私、龍神楊貴妃伝という本を書いています蓑虫と申します。
https://www.amazon.co.jp/dp/4990960408/
私は、空海と白居易(白楽天)、楊貴妃の関係について調べています。
読んでいて、面白かったのですが、いくつか、気になる点がありましたので、ご連絡いたしました。
まず、初めの方の空海のことで
「奈良時代の偉いお坊さん」と答えられた人はなかなか物知りです。」
とありましたが、空海が唐の国に渡って活躍を始めるのは805年で・・・平安遷都は794年ですから
「平安時代の偉いお坊さん」とすべきではないでしょうか?
それから、白楽天(白居易)の話で
「空海より2歳年下で、映画の中では長安の都で空海と絡むらしいけど、史実はどうであったかわかりません。」
とありましたが、凡ミスだと思いますが、
「空海より2歳年上で、映画の中では長安の都で空海と絡むらしいけど、史実はどうであったかわかりません。」
のお間違いではないでしょうか?
史実で、空海と白楽天と絡む可能性については、興味がありましたら、サイトでは、簡単にしか解説していませんが
空海と白居易と橘逸勢 http://www.minomusi.net/youkihi/kukaihakyoi.html
をご覧ください。
不遜なことを申したかもしれません。
失礼ですが、お許しください。
蓑虫様
コメントありがとうございます!
まさか、本を書いていらっしゃるような先生からコメントをいただけるとは思いませんでした。
感激です(つд⊂)
ご指摘ありがとうございます。
奈良時代のお坊さん・・の件は「そういえば奈良時代じゃなくて平安時代かな。修正しなくちゃ」と思ったきりすっかり忘れていました。
そして、年の差も、計算がバカでした・・。
ほんと恥ずかしいです。
ご指摘くださって本当にありがとうございました。
早速訂正させていただきました。
HP拝見させていただきました。
さすがの情報量。圧倒されてしまいますが、とてもとても興味深く拝読しました。
きっと、史実でも空海と白楽天は絡んでますね!
本文中にHPをリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?
この記事を見てくださった方に、本物の情報を紹介できたら嬉しいです。
早速の修正、ありがとうございました。
そして、本文中にリンクをというご提案、とても嬉しいです。
今後とも、どうぞ、よろしくお願いいたします。
サイトのご紹介ありがとうございます。
感激です!
空海の映画の感想も楽しみにしています!
(もちろん、私も、映画を楽しみにしています!)