
今、テレビで騒がられている特定機密保護法案ってどういうものなのでしょう。必要なような気もしますし、国に悪用されるような気もします。
自分がわかりやすいようにまとめてみました。
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特定機密保護法案ってざっくりいうと?
国家の重要な機密=特定機密を漏らした人や、その機密を盗もうとした人を罰する法律です。
特定機密ってどうやって決めるの?
わかりやすい図があったので引用してみました。
図のとおりですが、外務大臣や防衛大臣が「特定秘密」を指定します。
範囲は防衛・外交・スパイ活動防止・テロ防止の分野です。
この特定秘密を「知る」ことが出来る人は、適正評価をクリアした公務員や契約業者のみです。
適正評価って?
これがかなり色々調べられるみたいです。経済状況や病院の通院歴、外国への渡航歴など、かなりプライバシーに踏み込んだ調査が行われるようです。
この適正評価を受けなければならないのは、特定機密を取り扱う人ということで多岐に渡り、国家公務員に限らず、地方公務員は、政府と契約関係にある民間業者、大学等で働く人たちも含まれます。
しかも本人の家族にも調査は及ぶみたいです。
今までにも同じような法律はあったと思うけど?
はい。あります。国家公務員法では仕事を通じて知り得た秘密を守るよう義務つけられています。
この場合、違反すると「懲役一年以下」。
防衛に関する機密の場合はもっと重くなり、「懲役5年以下」ただし、これは自衛隊法の分野になります。
事くて機密保護法の場合、「国の安全保障に著しい支障を与える恐れがある情報」と拡大解釈出来る表現のうえ、これに違反すると最高10年の懲役になってしまうのです。かなり重い罰則になりますね。
その罰則は民間人にも適用されるの?
されます。マスコミやフリーライターの取材など機密を「知ろうとする」ことに対しても罰則が当てはまります。
この法案を後押ししている事情ってあるの?
どうもアメリカの意向が強く関わっているようでね。アメリカは同盟国で共有する機密の漏洩を懸念しているようです。
アルジェリア人質事件で、アメリカの情報が不可欠であることが分かり、法制化に急いだようです。
先進国ではこんな法律は当たり前?
当たり前かどうかはわかりませんが、現在の日本の法律は、機密保護に関してかなり甘いことは確かなようです。
問題点は?
政府の都合の良いように使われる可能性大ということですね。
防衛・外交・スパイ活動防止・テロ防止の分野と限定されていますが、政府の都合の良いように拡大するのは簡単です。
そして、一度特定機密に指定されたら最長30年間公開されることはないのです。
30年後も公開は内閣の承認がいるので、半永久的に機密のままにされる可能性が大なのですね。
そして、先にも書いた情報を取り扱う人たちのプライバシーの調査も大きな問題です。
まとめ
今、国会では修正案もよく出ていますが、このままだと制定されてしまうのは時間の問題でしょう。
正直、私の生活にはすぐには影響の出る法律ではないので実感はわかないのですが、一度こういう法律を決めてしまうと国民に必要な情報までシャットアウトされていまいそうで怖いですね。
全く的外れかもしれませんが、映画「図書館戦争」でメディア良化法という法律が制定されてしまったばかりに、自由に本を楽しめない世界になってしまうというストーリーがありました。
あれはフィクションなのでそんな世界にはならないと思いますが、じわりじわりととんでもない事態になっていきそうなそんな不安もある法案です。
今後の行方を見守っていきたいと思います。